否定側立論
プラン導入後、代理出産を行う夫婦が増えます。これは、肯定側の主張どおりです。 代理出産を行う場合は、必ず体外受精を行わなければなりません。
資料。「婦人公論」 2002年5月22日号 代理出産・特集「親は子どもに何ができるの か」の文中より引用開始。
「『代理出産』とは、女性の卵子と夫の精子を体外受精させ、その受精卵を別の女性 (ホスト・マザー)の子宮に移植して出産させる方法。」
引用終了。
しかし、体外受精は非常に危険を伴う技術です。
資料。「京都ダウン症児を育てる親の会 HP」より引用開始。
『体外受精は不妊を治療するための技術として登場してきたのですが、着床前診断で は受精卵のより分けの手順が加わる分、より多くの卵子を取り出さなければならない ので、一般の不妊治療以上に危険性が高いのです。(中略)女性は卵子を取り出す時 や、診断後の卵を着床させるために多種多様なホルモン剤の投与を受け、様々な医療 行為を受けなければなりません。最近、卵を取り出す時に使われる排卵誘発剤が卵巣 過刺激症候群という重い副作用を引き起こすことが次第に明らかになっています。卵 巣が腫れ上がり、腎臓や肝臓の障害、血栓症、脳梗塞などおこし、死に至る場合さえ あります。』
引用終了。
また、多胎妊娠を起こし、後遺症を残す可能性もあります。
資料。諏訪マタニティークリニック院長 根津(ねつ)八紘(やひろ) 「代理出産」 2001年より引用開始。
『内服薬による排卵誘発剤(クロミフェン、シクロフェニル等)では多胎妊娠になる 頻度は低いが、HMG(下垂体性性腺刺激ホルモン)による場合は、多胎妊娠になる可 能性がある。その確立は30%と決して低くはない。どちらを使用するにせよ、排卵誘 発剤を用いる限りは、多胎妊娠の可能性を覚悟しておかなければならない。(中略) また、誘発剤は多胎の他、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といって、卵巣が腫れ腹水が 溜まり、時として重篤な状態となる場合がある。一時期はOHSSにより後遺症を残すよ うなこともあった。』
引用終了。
資料中にあった多胎妊娠とは、四つ子や五つ子など、多くの胎児を一度に宿してしま うことです。多胎妊娠は母体に過度の負担を与えるため、減胎手術を行う必要があり ます。この手術でも、母体に悪影響を与える可能性があります。
同資料より引用開始。
『多胎妊娠が、胎児や母体にリスクをもたらすからには、そのリスクを除く手段を考 える必要がある。それが、減胎手術なのである。(中略)その方法とは、一般的に行 われている人工妊娠中絶の一方法の応用である、子宮口をラミナリアという物質で開 大させてから、超音波診断装置下で、映像を見ながら胎盤鉗子(かんし)で胎児をはさ み出す方法であった。危険性としては、 一、残すべき胎児まで排出させてしまうかもしれない。 二、残せたとしても、細菌感染を起こしたりして、結局皆流産してしまうかもしれな い。 三、一部の胎児を残すような操作をしたことにより、出血が続き、母体に影響を与え るかもしれない。 といったものが考えられた。』
引用終了。
また、実際に副作用によって母親が死亡する例も起きています。
資料。信州大学医学部保健学科 玉井真理子のHP 2004年更新より引用開始。
『厚生労働省医薬局安全対策課の報告(平成14年6月25日付)では、1994~2002年ま でに排卵誘発剤による副作用321人で440件(ひとりに複数件の副作用がある場合があ るため)、うち5名死亡、未回復7名(転帰不明を含む)、後遺障害20名(失語症、 半身麻痺、卵巣摘出など)などが記録されている。産婦人科学会による調査では死亡 例は1例となっているが、厚生労働省の調査では5例となっている。』
引用終了。
しかも、体外受精の妊娠率は低いものです。
同資料より引用開始。
『現在の体外受精の出産率が15%前後に過ぎないことを考えれば、妊娠にこぎつけ るまでに6~7回もこの過程を繰り返さなければなりません。』
引用終了。
仮に妊娠できたとしても、子宮外妊娠を引き起こす可能性があります。子宮外妊娠と は、受精卵が子宮外に着床し、発育する妊娠のことです。妊娠初期に流産や卵管破裂 を引き起こし、下腹痛・腹腔内出血・性器出血を伴う危険があります。
資料。「新・臨床外科学第3版」 山王病院産婦人科部長 本田育子 99年より引用 開始。
『子宮外妊娠の99%近くは卵管であり、その約1/4は狭部に、3/4は膨大部に着床す る。(中略)体外受精肺移植(IVF-ET)における発生率は約8%である。さらに子宮外妊 娠後の反復発生率も12%前後と高い。また自然妊娠率では3万妊娠に1例の発生といわ れる内外同時妊娠もIVF-ETでは1.8%と高く、過排卵周期の妊娠では子宮内に胎(たい) 嚢(のう)(GS:gestational sac)が認められても注意を要する。』
引用終了。
代理出産を実施した場合、代理出産に関わる女性は以上に述べて来たような生命の危 険を伴うリスクを負います。このことを2点に分けて説明します。
1.卵子提供者である母親のリスク
卵子提供者である母親には、体外受精を行う際に、排卵誘発剤の副作用が及ぶ危険性 があります。
2.懐胎者である第三者の女性(ホスト・マザー)のリスク
体外受精が成功したあと、受精卵は第三者の女性の子宮に移植されます。妊娠が不成 功に終わった場合は、同じ過程を繰り返さなければならず、肉体的・精神的に負担に なります。妊娠に成功した場合でも、子宮外妊娠や妊娠そのものに伴うリスクを負う ことになります。
プラン導入後は、代理出産を行う夫婦が増えるので、危害が及ぶ母親の人数・可能性 が高くなり、Dが発生します。
次に、深刻性を述べます。
代理出産では、卵子提供者である母親だけでなく、第三者の女性(ホスト・マ ザー)にまで生命の危険を伴うリスクが及びます。そのリスクを承知で代理出産を引 き受けていたとしても、生命に危険が及ぶような負担を与えることは大変深刻であ り、そのような事態を引き起こすプランは導入すべきではありません。
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ルール
以下の文字数をルールとしてオンラインディベートは行われています。
肯定側立論 : 2400文字以内。段落は120以内 |
否定側質疑 : 100文字以内の質問を5つ以内 |
肯定側応答 : 質問1つにつき、100文字以内で回答 |
否定側立論 : 2400文字以内。段落は120以内 |
肯定側質疑 : 100文字以内の質問を5つ以内 |
否定側応答 : 質問1つにつき、100文字以内で回答 |
否定側第一反駁 : 1600文字以内。段落は80以内 |
肯定側第一反駁 : 1600文字以内。段落は80以内 |
否定側第二反駁 : 1600文字以内。段落は80以内 |
肯定側第二反駁 : 1600文字以内。段落は80以内 |
詳しくは、はじめにをご覧下さい。